4-5. DNAメチラーゼと制限酵素の切断特性
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1) 制限修飾系でのメチル化
制限修飾系でのDNAメチル化は、アデニン(N6-メチルアデニンが生成)かシトシン(主に5-メチルシトシンだが、4位のアミノ基の窒素にメチル基がつくN4-メチルシトシンもみられる)が、S-アデノシルメチオニンのメチル基を受け取る形で起こる
このような配列特異的メチラーゼ(DNAメチル化酵素)を遺伝子工学の試薬として使用することができるが、そのような酵素は、試験管内で特定の制限酵素認識部位の塩基をメチル化し、その部分を切断から守りたいときなどに使用する
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2) 大腸菌で増やしたDNAの制限酵素処理での注意
通常の大腸菌はDamメチラーゼやDcmメチラーゼという普遍的DNAメチラーゼをもち、それぞれは$ \mathrm{G^mATC, C^mC(A/T)GG}でDNAをメチル化する
このため、この配列を持つDNAを大腸菌で増やし、それをその認識配列を標的とする制限酵素で切断しようとしても、切断できる酵素とできない酵素があるので、注意が必要
例えばGATC認識するもののうち、Sau3Aはメチル化に関係なく切断するが、Dpn IはAがメチル化されているときのみ切断し、Mbo Iはメチル化されていると切断できない
TGATCAを認識切断するBcl Iもメチル化していると切断できないので、大腸菌で増やしたDNAをBcl Iで切断しようという場合は、Damメチラーゼのない変異株($ dam^-)の大腸菌でDNAを増やす必要がある
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